グラインドロックってなんだ?

グラインドにロックの要素を入れた音楽。だいたいロックっていってもどれがロック?何がロック?ってなるし要素が広すぎ。グラインド事体フリーミュージックみたいな物なのでなので、あまりこれといってないかもしれない。同じような物で一時期、ストーナーグラインドって呼称はありましたが、その言葉ができる前からグラインドロックってあったのでその言葉は使いません。要するにグラインドするロックなのです。よくわかんないが。

93年、CSSOが結成当時から口を酸っぱくして云ってきたこのグラインドロックという言葉もいっこうに普及することなく現在ではほとんど、この言葉を口にするバンドがいなくなった。これはどーにもこーにもやばいぞと思うので、グラインドロックの歴史を説明しつつ、これからさらなる普及に向けて頑張ります。

グラインドロックって誰がやり出したの? いいだしたの? 

僕もどのバンドが最初にこの呼び名を提唱してきたかも知らないし、誰が最初に始めたかもよく知らないのです。しかし、僕が持っている音源の中で1番古いものじゃ、89年のEXIT 13のTHRASH RECSからでているEPだと思う。89年といえば、グラインドもまだ世間に出始めの頃、しかも本人達はグラインドロックって思ってやってないんだろうけど。このEPは今じゃ入手はさすがに困難だと思うが、RELASPEより再発でDON'T SPARE THE GREEN LOVEに収録されています。 EXIT 13はこの後、ドイツのECOCENTRICから90年にファーストフルレンスを。その後、自分のRELAPSEからEPとBRUTAL TRUTHのリズム隊をセッションに加えたThos Musickをリリース。ほとんど既成曲を編集してボーナス追加したMCDを1枚、マニアックすぎてわからない50sのカバーCDとかリリースしております。他にはHEMDALEとsplit MCDを1枚。サウンドはかなりグラインドしてますがギターがフュージョンぽいプレイや変な展開、お遊びな感じがグラインドロックしてます。現在、解散して、ヴォーカルのBILLはRELAPSE(のメインでもあった)をも離れてしまって解散。CSSOとSPLIT LPの話しもあったのに。残念!

その後、何か起こったのかフィンランドからやたらでてきた!

EXIT 13以外にもグラインドロックをプレイしていたバンドとしてフィンランド勢がいた。 92年から93年あたりにXYSMA、LUBRICANT、CONVULSE、DISGRACEなどのフィンランド勢がロックに多大な影響を受けたデスメタル/グラインドをプレイした時期があった。XYSMAは当初、初期CARCASSに影響を受けたサウンドをプレイしていたがセカンドCDのFIRST & MAGICALで、キャチィーで深みのあるグラインドロックを構築する。その後のサードではブラストビートを曲には導入せず、ピアノなどを導入しさらにキャッチーなデスロックをプレイ。セカンド/サードあたりがピークだったといえよう。その後、4枚目ではデス声を排除し完全なヘヴィロックバンドへと進化をとげてしまいグラインドロックからはすっかり足を洗ってしまった。DISGRACEもGrey Misery アルバムで明らかにロックの影響を受けたノリのあるデスメタルをプレイ。その後、SUPER HUMANDOMEで完全なロック化をし、現在もブルーズを基本にしたハードドライビングなロックをプレイ。

同時期のバンドとしてLUBRICANTも92年、ドイツのMORBID RECSからMCDではXYSMAと近い方向性のグラインドロックのプレイしていた。結成当時のデモでは、こちらも初期CARCASSに影響を受けたサウンドだったが、徐々にロック色を強めMCDではかなり完成度の高いグラインドロックを披露。XYSMAよりブラストを多く取り入れている点など差別化をはかっていた気がする。このMCDはかなりグラインドロックを語る点では大きな作品と思うのだが。(CSSOもMORBID RECSを選んだ理由としてLUBRICANTがいたからなのだが。)その後、ヴォーカルがクリーンヴォイスの導入などXYSMA的な進化をとげながらいつのまにかシーンから消滅してしまった。当時のライブなどでCREEMのカヴァーをクリーンヴォイスで歌うなどちょっとデス系に疲れていたのが伺える。とにかく残念である。

CONVULSEはこの中のバンドでは1番メタル色が強い。当初は普通のデスメタルをプレイしていたが、プロモ用に録った2曲あたりからグラインドロックをプレイ。この2曲がのちにRELAPSE UNDERGROUND SEREIESでMCD化リリース。MCDでは味わい深いメロディーを導入した名曲,"LOST EQUILIBRIUM"。ブラストを効果的に使いキャッチーかつ激しい展開の"MEMORIES"を収録。この2曲を聞けばCONVULSEの醍醐味は全て味わえる。その後、フルレンスをRELASPEからリリースしたがこのMCDを超えることなく何ごともなく消えていってしまった。残念。その他、フィンランドではDISGRACE, SENTENCED, AMORPHISなどデスメタル畑出身者がキャチー色やロック色を吸収してメタルやヘビィーロックに進化を遂げていった。ちなみに北海道のSATANIC HELL SLAUGHTERのメンバーによるYEAHはフィンランド勢に強烈に影響を受けたバンドを結成していた。1曲デモのみのリリースであったがバンド名は明らかにXYSMAのアルバムからでありサウンドもCONVULSEのMCDに多大な影響を受けていた。

状況の変化

その後フィンランド勢の衰退によりグラインドロックはさらにアンダーグラウンドへと下降していった。キャチーなサウンドなんだがよりアンダーグラウンドシーンへと。また未だにグラインドロックをプレイする有名なバンドなし。その背景にはダイハードデスメタルキッズやピュアグラインドフリークスからの支持がえられなかったこともある。またグラインドロックをプレイしていたバンドの音楽的発展の終末としてロックしすぎてデス声/ブラストビートの排除によりグラインドロックじゃなくなる点にも問題があるような。グラインドロックというサウンドがバンドの音楽的発展の通過点みたいなのも原因があるのかもしれない。まあ、このサウンドをプレイしてるバンドの持続力がないのでシーンから消えやすいのも衰退の原因のひとつであります。

オーストラリアのBLOOD DUSTERもグラインドロックをプレイするバンド。結成当時のデモでは初期CARCASSに影響を受けたサウンド。このMCDでちらほらロック色が見隠れする。次のMCDでグラインドロックなサウンドに。2つのMCDをカップリングしたCDがRELAPSEから発売されている。セカンドフルレンスも同じくRELASPEからでている。フォローワーとして同郷のFILTHなどがいる。ここまで読んでもらえばわかると思うがRELAPSE RECORDSが結構、グラインドロックをサポートしてきてはいた。が、EXIT 13のRELAPSE脱退によりRELAPSEのグラインドロック系のリリース終結がさらに拍車をかけてシーンからこの言葉を消していった。しかし、グラインドロックの魂は違った意味でGORE GRIND系に引き継がれているような気がする。ゴア系が好きな人にグラインドロック好きな人は多いけどね、何故か。

グラインドロック最後の砦だった...

96年にMORBIDからリリースされたフィンランドのPAKENIのMCDはグラインドロックの名盤中の名盤である!! LUBRICANT消滅後、良い意味で彼らの要素を引き継ぎ(メンバーはLUBRICANTのことは嫌いらしいが)グラインドロックの持つキャッチーなリフ、キーボード/女性コーラス等の導入、ポップ性など(CSSOのRELASPE 7'EPでやった同じ方向性なのだが)グラインドロックの醍醐味みたいなのがこのMCDの6曲に詰まっている。その後、MCDの売り上げ不振ということでレーベルを移籍し、NAPALM RECSから待望のファーストCDをリリース。しかしミニCDほどの衝撃がない作品となってしまった。

その後、CSSOは頑張ってセカンドアルバムをMORBIDからリリース。ディスコグラフィーCDもオランダのFROM BEYONDから2003年にリリースするもフォローワーもいないので現在、ほぼシーンからこの名前が消えている悲しい状況... 
グラインドロックカンバック!!

文責 : CSSO / Analtoshit