本編の人物紹介
右写真 : 左からマルキド、コンジェニ、
朝早くにTIM家を出発し目指すは東ドイツのBischofswerdaのEAST CLUB。以前、僕は’96年にこのEAST CLUBで同じMORBID FESTIVALにDEAD INFECTIONやHAEMORRHAGE、AGATHOCLESなんかとプレイした事があり、またあそこにいけるのかともうワクワク。が、車が走り出して小一時間もしないウチに眠りに入っていた。助手席ではコンジェニが地図を片手にナイビゲーション。TIM自体も車で東の方に行った事はないらしい。
(つく間にいろいろあったが話をはしょって)車で500キロぐらい移動し、迷ったあげく夕方ぐらいに到着。とりあえず予約していたホテルに行き荷物をおいて万全の準備で会場に向かう。いや〜なつかしい。まったくもってなにも変わっていない。久しぶりにMORBIDのオラフに会う。今回は以前、コンジェニと「いつかドイツでブースをだそう」と話していた。FUCK
THE COMMERCEの時は下準備が万全でなく無理だった。が、今回はあらかじめオラフにその事を承諾してもらっていたので日本から結構、日本のバンドの音源なんかをもってきていたので早速、会場の外で「消滅レコード+BLOODBATHレコード」のブースをこじんまりと出店。こちらはほとんどテープがメインだったので人は寄ってきたけどなかなか売れませんでしたね。
コンジェニ「今回オフィシャルでブースを出させてもらえるということで、結構品物を持っていったつもりだったけど、一人の手荷物には限界があった。結局日本のバンドのもの中心で持っていった。興味は示してくれるが、なかなか買ってくれませんでした。」
他にもいろんなレーベルやバンドも出店しだしてきて早速、レコードあさりで興奮状態。ブースにはCD、EP、LP、T−シャツ、さらにはGUTなんかのブートのパッチやキャップまであった。こりゃ太刀打ちできないよ。マルキドはドイツ初体験ともあっていきなりレコードを買いまくっている。そりゃ、日本ではあまり店頭に並ばないようなレコードや通販等で買うようなレコードが日本よりも格安でしかも大量に売っているのである。3人して店番交代しながらあっちにいったりこっちにいったりとブースを漁りまくり。まだ初日だというのにみんなしてレコード買いすぎ。いや〜、ドイツ危険だわ。しかも明日になったらまた違うレーベルやらバンドやらが新しいブースをだすのでタマリマセン!!
マルキド「たまたま物価が安かった(1EP250円くらい)こともあってね。できるだけ、日本じゃ手には入んねーだろってものばかり物色してたけど、気付いたら日本じゃ手に入んないものだらけでした。」
今日の出演バンドはPROGERIA,
INTO DARKNESS, ORTH, POSTMORTEM, CENTINEX, NUN SLAUGHTER。みんなの今日のお目当てはもちろん、NUN
SLAUGHTERじゃい。しかし、NUN SLAUGHTERも今日、東でライブやって明日は西でライブやって何時間もかけて移動してしんどいよな。NUN
SLAUGHTERのドラムのジムからいろいろシャツやCDをもらう。EPもメンバーからサインをいれてもらい(はるまげ堂の店にかざった)パッチも買ってきました。マルキドはこの時点で日本円で1万ぐらいのレコードを買ってましたが1万にしては凄い量のレコードをゲットしてましたね。
マルキド「んで、それだけの量を強引に暗算するものだから「たぶん○○マルクぐらい」というかなりアバウトな価格設定。「…全然間違えてる」そう思ったのですが、そこは蒲郡風太郎。教えてやらなかったづら。ぶひひ!」
日も暮れ出してぼちぼちバンドの演奏が始まる。あんまり興味ないバンドが続くので外でいろんな人と話したりレコード漁ったり酒飲んだりと。こっちのビールとかはあまり好きじゃないので日本からジンロのでかいのもっていってオレンジジュースとミックスして飲んでいたのだがこれがとんでもない結末を迎えた。
INTO DARKNESSは手数が多いリフをプレイするデスメタルなんだけど手の動きが凄いわりに音は何やってるかわかんねえ(笑)。 ORTHはベテランらしく落ち着いたプレイなんだけどどんな曲やっていたのかまったく憶えていない。
POSTMORTAMはヴォーカルの動きが生理的に嫌いな少々モダンなヘヴィデスといった感じ。どのバンドもあまりパッとしないでどんどん続く。
会場にすげースウェーデン人のグループがいて、それは本当に狂ってる。長髪のドレッドでジージャンにパッチべたべたはったヤツとかがずーとビール飲んでんの。そんでケツだしたり友達のチンコなめたりケツの穴にバーボンの瓶、突っ込んだり。ARSEDESTROYERも日本に来た時、こいつら狂ってると思ったけど、ARSEの比じゃないね。そんで連れの女の子も狂っててライブやってんのにステージの真ん前のフロアにべた〜って寝ッ転がって見て、長髪ドレッドはケツだして暴れたり頭おかしいわ。
マルキド「その女の子、なかなかエキゾチックで魅力的でしたが鬼畜でしわ。そういや、ゴアッパー君、そいつらの「オシッコビール」飲んでなかったっけ?」
僕らのブースの周りには結構いろんな人が話し掛けてきて酒も進むわ。現地でたまたま会ったTIMの弟の友達ってのもいて、そいつが持ってきた怪しいワインなんかも飲んじゃったりして。そのうちに酒も回ってきてCENTINEXが始まる頃には1人で飲過ぎてつぶれてしまった!! そのうち、腹も痛くなって便所にいってクソしてたんだけどまたいつの間にか便座で座ったまま寝てしまう。便所の中で音が聞こえるから、「まだCENTINEXやってんのか、CENTINEXはいいや。NUN
SLAUGHTERは見なきゃ」って思いつつ便座で寝ていた。そのうち音がしなくなったので外にでたらちょうどコンジェニやTIMがいて慌ててるので話し聞いたらもうNUN
SLAUGHTERもとっくに終わってて、俺がどこいったか探してたみたい。どうやら便所で2時間以上寝てたみたい。ガヒョ〜ん! 何しにドイツきたんだ! 結局、今日はこれだ!というバンドをなにも体験することなく失意のうちにホテルに帰って爆睡。明日はMEYHEM,
OBSCENITY, HYPNOSと見たいバンドがあるので酒は控えておこうと心に決めるゴアッパーであった。
コンジェニ曰く「TimやVulger Records(ドイツのノイズグラインド系のレーベル、YACOPSEとかBLINDSPOTとかそっち系のEPを出している)の奴とかとネオナチにさらわれたんじゃないか、とかなり本気で探した。MORBID RECORDSのOlafは会場にいる奴はみんなファミリーだから大丈夫だとか、ゴアッパーはもてるからグルーピーとやっているんじゃないかとか全く心配してなかったので、その通りに何も起こらなくて良かった。」
マルキド「MORBIDのオラフがジョークで「ナルトシ(ゴアッパーの事ね)、今ごろ女と#$%&…」なんて言ってて、それ聞いたTIMの「ムッ」とした表情が今でも忘れられない。」
あとでマルキドがCENTINEXとNUN
SLAUGHTERのビデオとってくれてたので家に帰ってきてから見たけど、CENTINEXにはびっくりした。活動歴長いのにあの演奏の下手さはないよ。レコードとかはスピード感もあって非常にカッコいいのにライブはみんなバラバラ。特にヴォーカルの動きとか、演奏を確認しながらうたってんだよね。なんか自信なさげだし。メンバーチェンジとかいろいろあるみたいだけど、あのヴォーカルの自信なさげなライブは見ていてキツイんじゃないかな。原曲を知らないけど1曲、明らかにヴォーカルが曲を見失ってったぞ。
コンジェニ「CENTINEXは演奏はともかくVoの動きが奇妙だった。レコードを聞いていて膨らんでいた期待も一気にぶっ飛んでしまったので、見ないほうが良かった。日本盤が出ることが信じられない。」
変わってNUN SLAUGHTERは熱かった! ビデオというのが非常に残念! んでライブだが一瞬、80年代に戻ったような錯角に陥る。ヴォーカルのスタイル、曲、そしてオーディエンス! 日本でどんなバンドがライブやったってステージの前にカットオフのパッチだらけジージャン長髪野郎共がヘッドバンギングをする光景はみれないでしょう。ヴォーカルのしゃべりもいいし(途中、曲紹介で「次の曲はなんたらかんたらの7インチの...」っていったら客が先に曲名をいってしまう微笑ましい光景もあった)、ドラムのジムはドラムスティックで逆十字つくったり演出も良かった。NUN SLAUGHTERは日本ではほとんど知られてないけど活動歴は10年以上で音源はデモや7インチしかリリースしておらず、マニア向けだったバンド。2000年になってやっとドイツのREVENGE RECSからアルバムがでたのだけれどもその収録曲が86〜91年につくられたモノがほとんどって事でも彼等の化石ぶりがわかってもらえると思う。サウンドは非常にストレートなオールドスクールデスメタルで、グラインドと云う人もいるくらい単純明快なサウンド。おじさん連中にはタマラナイバンドなのです。
マルキド「この日、大本命であったNUNSLAUGHTERは、「だいもんサングラス」でバッチリきめたジムの、ミンチを彷彿させる「キェーッッ!」という奇声から始まった。1曲目から会場全体は一瞬にしてサバトと化し、悪魔に乗り移られた猛者どもは一心不乱にアタマを振り乱す! これだよ、これ!3人(リタイア1名含む)が求めていたものは、ここにありました。これから新世紀を迎えるであろうという時に、ドイツのここではそんな気配はまるでなし!MC全部デス声ですよ。信じられますか?うぉー! ボクはビデオを録るという宿命にも関わらず、ヘッドバンキング。おっと、いけね。ブレちゃう、ブレちゃう。兎にも角にも、これにて完全に憔悴し切った2人は、興奮冷めあらぬまま、この後、意味も無く泥酔し切った人を探すのでした。いやー、NUNSLAUGHTER
最高!」
コンジェニ「NUN SLAUGHTER(現在このツアー時のGuとBaは抜けてしまった)は最高でした。Jimからはオハイオ系のアイテムをいろいろもらいました。このときのGuのやっている別バンドRINGWORMのデモとか、SCHNAUZERのTシャツとか本当オハイオローカルなアイテムばかり。Jimは人柄もそうだけど、ライブ中のパフォーマンスも楽しませてくれます。DonとのMCの掛け合いではEvilのデス声でやっているし、曲中にはメッチャ高いハイトーンVoで入ってくるし、さすがMINCHと思う才能振りでした。しかも渡哲也バリのグラサンをかけてドラムたたきながら。Donもかなりの日本通で、CASBAHのTシャツを探してました。ライブもかなりの盛り上がりで、ヘッドバンギング7割以上というステージ前でした。客層もファッションだけ見てるとかなり高年齢に感じた。」